茅野市文化芸術推進事業レポート
芸術×文化×くらし
地域そのものが
ミュージアム!
レポート

ちのを編む みんなのサロン

その1
天然寒天って何? 現場に行こう!
2019.2.11
「ここならでは」の文化を継いで
会場:イリセン寒天工場(茅野市北山)

茅野の特産といえば天然の棒寒天。この地で育まれた伝統の食文化であり、生産量日本一を誇る茅野の地場産業です。農閑期、田んぼに寒天がずらりと並ぶ干し場の風景は、茅野の冬の風物詩。でも、どんなふうにつくられているのか地元でもふれる機会はなかなかありません。そこで、生産者の茅野さんにお話をうかがい、寒天製造工場や干し場を見学しました。「寒さが厳しく乾いた晴れの日が多い、美しい水の豊富な茅野だからこそできる」という寒天づくり。寒天干しの体験やバリエーション豊かな寒天料理のふるまいもあり、この地ならではの文化と原風景を体感することができました。

案内役は生産者の茅野さん。工場をめぐり、寒天づくりの工程を紹介してくれました。これは原材料の海藻を煮込む大きな窯。寒天の材料は海藻。こんな山間に海の幸が運ばれてきて、姿を変えています。

ふだんは田んぼのこの場所が、冬は寒天干し場に。生天を干す「天出し」作業なども体験しました。標高約1000メートル。豊かな水、冷たく乾いた空気、朝夕の寒暖差、高い晴天率。この条件で天然寒天が生まれているのです。

試食では、干す前のところてんや寒天味噌汁、寒天をつかった甘酒プリンもあり、「こんな料理にも使えるんだ」「おいしいレシピ、もっと知りたい」と皆さんにっこり。「ふだんの生活に寒天をとり入れていきたい」「和菓子店や料理研究家などと輪を広げると発信につながるのでは」といった声もありました。

話し手:茅野文法さん(有限会社イリセン代表取締役社長)

茅野での寒天の製造は温暖化や後継者の不足などの理由から、どんどん減ってしまっています。これからも伝統の産業を残していくためには、新しい売り方や食べ方を提案したり、もっとみなさんに知ってもらったりする必要があると考えています。お客様から教わることも多く、サロンでは地域の人の感想や意見もうかがうことができ、とても刺激を受けました。

進行:一般社団法人ちの観光まちづくり推進機構

きれいな水と寒さ、お日様の光を活かしてつくる寒天ほど茅野の特産にふさわしい製品はないかもしれません。茅野に住む方には、自慢の天寄せをふるまってくださる方も少なくありません。そんな寒天をあらためて知っていただき、茅野の自慢としてこれからの世代にも残していきたい。そう思ってサロンを企画しました。「こんな風につくっていたのか」「こんな食べ方もあるんだ」と、新しい発見もちらほら。話し手も参加者も笑顔の1日になりました。

ちのを編む みんなのサロン
2019年2月~2020年2月 全6回
その1
自然と諏訪の信仰
天然寒天って何? 現場に行こう!
2019.2.11
「ここならでは」の文化を継いで
その2
自然と諏訪の信仰
どうやってるの? 縄文遺跡の発掘調査
2019.3.9
大地から直に感じられる太古の営み
その3
自然と諏訪の信仰
「食」でつなごう! 地域のくらし
2019.3.21
暮らしの楽しみ 手から手へ
その4
自然と諏訪の信仰
農業とITを掛け合わせるとどうなる?
2019.12.14
未来に向けて対話のコミュニケーション
その5
自然と諏訪の信仰
興味を活動に! 市民研究員
2020.2.1
興味を深めて地域に広げるやりがい
その6
自然と諏訪の信仰
宝の山! 里山づくりの取り組み
2020.2.15
人と自然のふれあう場 価値を再確認
その7
自然と諏訪の信仰
観光でまちを元気にしよう!
2020.3.15(中止)
住民が知恵を出し合って「観光によるまちづくり」をめざして活動し、日本のみならず外国からも多くの観光客を受け入れている笹原区の皆さんからお話をうかがう予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止いたしました。