茅野ふるさと祭は未来へ文化を継いでいきます


事八日

 「茅野ふるさと祭」は、茅野市民館主催事業として平成二十二年度から二十四年度にかけて実施する三年間の継続事業として企画された。一年目については、文化庁による「平成二十二年度地域伝統文化総合活性化事業」の支援を受け、茅野市民館指定管理者 株式会社地域文化創造が市民組織の特定非営利活動法人サポートCに一部業務を委託し、市民との協働体制が取られた。
「茅野ふるさと祭」は、かつて茅野市および周辺地域の人々の生活や風土、祭礼、信仰などと深く結びつき、日常に彩りを添えていた民俗芸能・伝統文化を今一度掘り起こし、調査・記録することにより、それらの価値を再認識し、地域の文化や文化の記憶を未来に継いでいくことを目的としている。地域の民俗調査はこれまでにもなされており、かつて盛んだった民俗芸能・伝統文化は文献や冊子といったかたちで現代に残されている。しかし、当時を知る人々も高齢となっていくなか、今現在どのような民俗芸能・伝統文化が伝承され、どのような人々によって支えられ、またあるいは失われつつあるのか、といった報告は近年なされていない。



長嶺長持

民俗芸能・伝統文化を地域の文化力として活かし、地域全体と深く繋がっていこうとする試みは、市民との協働により市民主体のものづくりや「芸術から産業に至るまで生活のすべてに関わる多様な地域文化の創造」を目指してきた茅野市民館の地域における役割であると考える。地域の文化、とくに何百年も続いてきた文化というのは、コミュニティによって支えられるものである。三年間の「茅野ふるさと祭」においても、茅野市民館を拠点にしたコミュニティや人のつながり・活動こそが、文化を支え地域を活性化する大きな力となるだろう。当事業の成果は、地域の特色ある文化遺産を活かした地域活性化の有効性や市民主体の地域文化創造の可能性を示し、さらに文化複合施設という茅野市民館の特徴・機能を最大限に使用することによって新しい息吹を吹き込まれた民俗芸能・伝統文化の再生・発展に結実すると期待される。

ピックアップ行事


湖東新井、北山糸萱

 一月十四日から十六日までを、大正月に対して小正月と言う。古くは女性がゆっくりと出来るようにと、女正月とも言われた 餅をついて神様に供え、家族そろって祝う。小正月に向けて山からノリデの木を採って来て、ホンダレサマを作り豊作を祈る。 木の枝を俵や稲穂に見立てて切って作る。細い木を組み合わせて稲の花を作ることもある。 ノリデの木で刀を作ったり、...



米沢埴原田下

 午前七時四十分 子ども十二人、PTA役員五人が集合。 埴原田下の約三十戸を、獅子頭、御幣、鈴を持って回る。玄関で「あくまっぱらいにきました」と声をかけ鈴と御幣を振る。希望する家には中に入り、家の中を一巡したり頭を噛んだりする。現在の神楽は二代目で、以前のものは紫雲寺に保管してある。 今年は五年生が親方になり、昨年の記憶をたどって行なう。区...



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この企画は、平成24年度文化庁「地域の遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」補助事業です。

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