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リポート
茅野市美術館アート×コミュニケーション♯3 プレイベント

「小さなアートプロジェクト実践講座」
講師:藤浩志(美術作家)



全国各地のアートプロジェクトの現場で「対話と地域実験」を重ねている美術作家・藤浩志氏をお迎えし、「小さなアートプロジェクト実践講座」を実施します。
あなたの気になるもの、例えば大切な絵や本、または、演奏やダンスetc.…それらを使って、茅野市民館や周辺でアートプロジェクトを体験してみませんか?
●日時:1日目/2012年2月18日(土)13:00~18:00
      2日目/2012年2月19日(日)10:00~16:00
●集合場所:茅野市民館 アトリエ
●定 員:30名(先着順/定員になり次第、申込みを締め切ります)
●参加費:無 料(要事前申込み)
小さなアートプロジェクト実践講座 1日目(2012年2月18日)

■13:00-15:00 レクチャー&参加者による自己紹介
藤浩志氏より、小さなアートプロジェクトを実践するにあたり、レクチャーと、参加者による自己紹介がありました。レクチャーでは、「表現」についての説明があったうえで、これまで制作した作品や関わったアートプロジェクトについて、お話がありました。

■15:10-16:00 館内見学
小さなアートプロジェクトは、「茅野市民館」と茅野市民館と茅野駅を結ぶ「自由通路」を会場とします。藤氏と参加者とスタッフが館内を見学し、参加者は館内のどの場所で、小さなアートプロジェクトを行なうかを考えました。
館内見学


館内見学
館内見学


館内見学


■16:10-18:00 小さなアートプロジェクトの検討&レクチャー
小さなアートプロジェクトの検討&レクチャー 5グループに分かれ、参加者同士で自分の考えるアートプロジェクトを検討し合いました。随時、藤浩志氏によるレクチャーを織り交ぜながら、最後に、必要な備品の確認や、打ち合わせを行ないました。










小さなアートプロジェクト実践講座 2日目(2012年2月19日)


■10:00-12:00 レクチャー&制作作業
藤浩志氏のレクチャーのあと、小さなアートプロジェクトの制作を行ないました。
レクチャー&制作作業


レクチャー&制作作業


レクチャー&制作作業


レクチャー&制作作業


レクチャー&制作作業
レクチャー&制作作業


■13:00-15:00 小さなアートプロジェクト 展覧会
2時間だけの「小さなアートプロジェクト 展覧会」がスタート。下記のようなMAPがつくられ、各所に設置。多くのお客様に参加いただきました。
参加者それぞれの「小さなアートプロジェクト」は下方の紹介をご参照ください。
MAPはこちらから
120219map.pdf


■15:00-15:15 片付け①

■15:15-16:00 ディスカッション
ディスカッション 藤浩志氏の進行で、小さなアートプロジェクトの作品を振り返りました。

■16:00- 片付け②

小さなアートプロジェクト 展覧会
作品名:我が家の壁のお引越し 動画はこちらから
作品名:我が家の壁のお引越し

作家名:山﨑康子
場所:壁(スロープ、2階エレベーターホール、イベントスペース)
作品について:ありとあらゆる空間に小物(オブジェ)を並べたかった。

スタッフメモ:参加者数名からも小物を持参してもらい展示をしていました。集めた全てのものを展示することができたことに、達成感を感じたと気持ちよさそうにお話してくれました。

作品名:我が家の壁のお引越し
作品名:我が家の壁のお引越し
作品名:ゴロゴロ、時々休み

作家名:丸山組
場所:スロープ
作品名 ゴロゴロ、時々休み 作品について:長いスロープや手すりを利用して転がる様子を楽しむ。

スタッフメモ:ゆるやかな斜面になっているスロープに、転がすアイテムが3つ用意してありました。曲がったり途中で止まったり、一気に下まで転がったり。皆さん、その不安定さに面白がって参加していました。

作品名 ゴロゴロ、時々休み
作品名 ゴロゴロ、時々休み
作品名:“ためしてバッチリ”参加無料 トトンと一発 あなたの色力(いろぢから)!! 動画はこちらから

作家名:細野勝也
場所:スロープ
作品について:人の意図できない偶然力の偉大なアート力を知る。

スタッフメモ:当日の朝、綿密に書かれた企画書を見せていただきました。周りの参加者の皆さんにも協力してもらい、制作していました。紙に流れる様々な色水のにじみに皆さん感激していました。

作品名 ためしてバッチリ 参加無料 トトンと一発 あなたの色力(いろぢから)


作品名 ためしてバッチリ 参加無料 トトンと一発 あなたの色力(いろぢから)


作品名 ためしてバッチリ 参加無料 トトンと一発 あなたの色力(いろぢから)
作品名 ためしてバッチリ 参加無料 トトンと一発 あなたの色力(いろぢから)

作品名:○○○Deゴザ居マス
作家名:ママカフェ
場所:ロビー
作品について:ペットにかじられてしまい、もう処分待ちのゴザとこたたみ。最後の花道をかざります。

スタッフメモ:ゴザとこたたみのうえに、軍手でつくった人形の群衆をいっぱい作っていました。軍手人形とその他の小物が、上記の「“ためしてバッチリ”参加無料 トトンと一発 あなたの色力(いろぢから)!!」の近くに設置され、応援団のようにも見えました。

作品名○○○Deゴザ居マス


作品名○○○Deゴザ居マス


作品名○○○Deゴザ居マス
作品名○○○Deゴザ居マス

作品名:ミヨちゃんとたぬきさんのたのしい季節の家
作家名:ミヨちゃんとたぬきさんお一家
作品名 ミヨちゃんとたぬきさんのたのしい季節の家 場所:事務室前(後に中庭に移動)
作品について:たぬきさんの家の1年の季節を作品にしました。ばつぐんのチームワークで好きな部分、季節をつくりました!

スタッフメモ:御夫婦と娘さん2人、さらに女性参加者の計5人により、作業時間2時間+昼食時間1時間をつぎ込んで完成した大作!展覧会オープンギリギリに設置完了。展覧会中ずっと、市民館を利用する子どもたち大人気でした。居心地が良いのか、なかなか出てきてくれない子どもが続出。この家は、今後も茅野市美術館サポーター(NPO法人サポートC 美遊com.)が企画するイベントで活躍することが決定しました。

作品名 ミヨちゃんとたぬきさんのたのしい季節の家
作品名 ミヨちゃんとたぬきさんのたのしい季節の家

作品名:なにをいっているの~
作家名:t-aqua
作品名 なにをいっているの~ 場所:ロビー
作品について:世の中には耳の聞こえないひと達がいる。

スタッフメモ:ロビーにある伝声管、段ボールのオブジェを付けていました。2枚目の写真の左側の手は、手話で「I Love You」の意味。

作品名 なにをいっているの~
作品名:小さなものが大きくなった 動画はこちらから

作家名:びっくりだいまじん
場所:レストラン横の階段
作品名 小さなものが大きくなった 作品について:小さなものを作って巨大な影を表す。虚像の中に本物を見たい、発見したい。

スタッフメモ:今回の講座を通して出逢った、女性1人と男性2人による3人組がつくった作品。3人で一緒につくることをとても楽しんでいました。3人から、ダンボールの面が、照明によって真っ赤に色づくことが驚きだったと伺いました。
作品名 小さなものが大きくなった
作品名 のぼりたいなー

作品名:のぼりたいなー
作家名:t-aqua
場所:レストラン横の階段
作品について:こころの動きをすなおにだすと。

スタッフメモ:ビーチサンダル1足とぞうり1足。できるのであれば、柱の一番高いところまで使って何足も設置したかった、と伺いました。

作品名:風船と遊ぼう 動画はこちらから
作品名 風船と遊ぼう

作家名:山﨑康子
場所:レストラン横の階段
作品について:色とりどりの風船がゆれて、きれいでした。

スタッフメモ:展覧会のスタート後に、風船を膨らませはじめました。作品を見に来た来館者と、一緒につくることを楽しんでいました。子どもたちに大人気で、展示後の風船は子どもたちにも配布しました。

作品名:ゴリラの読書
作家名:ゴリグレート
場所:2階廊下
作品について:大小のゴリラが本を読む。私のパロディ。理解できないのに読書好き。

スタッフメモ:参加者全員が展示場所を決めた後、展覧会オープン間際に全体のバランスを見て、この場所に設置していました。市民館にあるものと持参されたものを上手に利用していました。

作品名 ゴリラの読書
作品名 ゴリラの読書
作品名 上方浮世絵他

作品名:上方浮世絵他
作家名:芳瀧
場所:2階廊下
作品について:上方浮世絵は希少なので出品しました。

スタッフメモ:市民館の廊下があっという間にミニギャラリーに変身。一緒に心地よい音楽が流れ、ご本人も横に座っていました。

作品名:石だたみの橋を渡って 動画はこちらから

作家名:松平幸美
場所:2階エレベーターホール
作品について:音の出る石だたみを味わって・・・。橋を渡れるかな。

スタッフメモ:市民館の備品の畳に加え、色々な廃品を用意してつくっていました。

作品名 石だたみの橋を渡って
作品名 石だたみの橋を渡って

作品名:逃げなくちゃ・・・
作家名:t-fuga
場所:アトリエ入口
作品について:避難することに普段からの心構え。

スタッフメモ:展覧会オープンギリギリに「思いついたので、ちょっと作品追加してもいいですか」と尋ねられ、急遽、加わった作品です。お気づきかと思いますが、唯一、MAPには掲載がなかった作品です。

作品名 逃げなくちゃ・・・
作品名 逃げなくちゃ・・・
作品名:どんな気分? 動画はこちらから
作品名 どんな気分?

作家名:永瀬園子
場所:アトリエ
作品について:限定された「時間」の中で「何にどう出会うか」というテーマで今回は「人」に焦点をあてました。

スタッフメモ:永瀬さんの他に、藤浩志さんと参加者の計4人が参加。出演した参加者は、「前日の講座の際に、作品についての説明を聞いても、まったく理解できなかったものが、実際に体験してみるとなんて面白い!」と驚いていました。百聞は一見に如かず、パフォーマンスの魅力を体感。

作品名:本の祭壇
作家名:今井一彦
場所:アトリエ
作品について:親和力のある本の祭壇を作ります。

スタッフメモ:お昼ぐらいから制作を開始し、「作業をする行為を作品にしてもいいんですよね」とご本人。できあがった居心地のいい空間で、他の参加者もまったりしていました。

作品名:アバンギャルド バカ バカ 動画はこちらから

作家名:諏訪湖野 ゴジラ
場所:全館(アトリエからスタート)
作品について:1960年代からやりつくされているものを体験したかった。

スタッフメモ:アトリエから駅の自由通路までの間を、トイレットペーパーを全身に巻いてパフォーマンスをしながら闊歩。終点のアトリエでの全身パフォーマンスは圧巻でした。

作品名 アバンギャルド バカ バカ
作品名 アバンギャルド バカ バカ

作品名:インタビュー
「生け花・お花について あなたはどう思いますか?」

作家名:MOW MOW
場所:全館(館内を移動)
作品について:生けることは生きること、生かすこと。自分と向き合うことで心を映している。和の心を残した欲しいと皆様の熱い心が伝わってきて勉強になる一瞬をもらった。

スタッフメモ:2時間で10数人の方にインタビュー。この講座を受け始めた時、「場違いなところにきてしまった」と仰っていましたが、「どんどん入り込めて取り組むこと」ができたとの感想を最後に頂きました。インタビューする度に、生け花の新たな魅力を感じることができ元気になれたそうです。

作品名:お掃除屋さんに贈る 200mlのアートプロジェクト 動画はこちらから

作家名:カトーヒサヨシ
場所:全館
作品について:ゴミを拾いに来た人の目に入るように作りました。

スタッフメモ:展示場所を決めるのに、置いては眺め、置いては眺めを繰り返し、一番いい場所を探求していた姿が印象的でした。館内に置かれた25個の紙コップ全てに似顔絵が入れられています。

作品名 お掃除屋さんに贈る 200mlのアートプロジェクト
作品名 お掃除屋さんに贈る 200mlのアートプロジェクト

作品名:モノ-ダイアローグ1997/Mono-Dialogue 1997
作家名:小川格
場所:中庭
作品について:15年前の作品。日本初公開にて成仏させます。

スタッフメモ:ベルギーで学んでいた学生時代の作品を改めて展示。「昔の自分と対話できた」とお話されていました。

作品名 モノ-ダイアローグ1997/Mono-Dialogue 1997


作品名 モノ-ダイアローグ1997/Mono-Dialogue 1997


作品名 モノ-ダイアローグ1997/Mono-Dialogue 1997

作品名:モノ-ダイアローグ2012/Mono-Dialogue 2012
作家名:小川格
場所:イベントスペース
作品について:自閉的ライブパフォーマンス(シロウトすぎて観る人を悲しい気持ちにさせます。)

スタッフメモ:前日の講座の際に、参加者の皆さんと演出用の拍手を録音。演奏後にひっそり流す予定が、大勢の観客の皆さんからの拍手が先に鳴ってしまい、落ちができなかったとのこと。でも、表現されたいことは観客の皆さんが充分感じたようで、鑑賞後の感想が絶えませんでした。

作品名 モノ-ダイアローグ2012/Mono-Dialogue 2012
作品名 モノ-ダイアローグ2012/Mono-Dialogue 2012

作品名:山のシルエット
作家名:両角秀一郎
場所:イベントスペース
作品について:朝日や夕陽があたった時の山の立体感を表現しました。

スタッフメモ:市民館にある脚立とビールケース、さらにご自宅の脚立を持ち込み制作。山を描いた紙を貼り、さらに、現場でも紙に山を描きながら制作されていました。

作品名:タイムトンネル 動画はこちらから
作品名 タイムトンネル

作家名:センムクン
場所:展望台への階段
作品について:空間・音・映像

スタッフメモ:唯一スタッフが参加。いつの間にこんなものを作っていたのかと、びっくりでした。

「小さなアートプロジェクト実践講座」について  藤浩志
  アートプロジェクトは、ジャンルに捉われることなく、様々な思いや意識を表現する汎用性の高いシステムの一つだと思っています。地域が持つ魅力的/穴場的/忘れられた/大切な/なんでもない場所と関わり、様々な歴史/技術/人間と関わり、自分自身の内面/地域に潜在する違和感を引出し、活動の連鎖へと繋ぐ重要な仕組みです。
  茅野市民館はホール・美術館・図書室等を持つ文化複合施設であるとともに、茅野の周辺地域で発生する様々なアートプロジェクトを繋ぐ駅前の重要な拠点として高い可能性を秘めていると考えています。
  今回は参加者がそれぞれアイデアを持ち寄り、ディスカッションを重ねたうえで、茅野市民館のいつも使われない場所や空いている場所を使って2時間だけの小さなアートプロジェクトの実験を行ってみました。イメージは様々な対話の中から立ち上がると考えています。物との対話、場との対話、人との対話。対話の仕方は様々ですが、対話はイメージを生み出し、そのイメージは次のイメージへと連鎖します。
  今回の実験で茅野市民館のいたるところに懸命に何かをつくろうとしている美しい態度が出現し、それを共有できる時間があったという事実が大切だと思っています。わずか数時間でこれだけのイメージが出現したのだから…数日かければ、数か月かければ…いや、数年かければ相当凄いことになると思っています。
  しかも活動のフィールドは茅野市全体に広がっています。ここから始まる皆さんの次の活動の予期せぬ連鎖が楽しみで仕方ありません。
「茅野市美術館アート×コミュニケーション#3」  今後の展開について
  今回のプレイベントに続き、2012年の秋、再び藤浩志さんをお迎えし、アートを媒体に新たな地域の活動を探る「茅野市美術館アート×コミュニケーション#3」を実施いたします。
  現在の予定では、茅野駅東口に面した茅野市民館イベントスペースを、地域の情報を発信する基地とし、地域の新たな活動が芽吹くことを目指すプロジェクトとして実施する予定です。
  詳細が決まり次第、随時お知らせしていきます。皆さまのご参加お待ちしています。



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●茅野市美術館
〒391-0002 茅野市塚原一丁目1番1号
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