民謡 - 湖東笹原

【内容】
ダンチョネ節・祝い唄
『笹原のあゆみ』に記載された民謡についての解説。
笹原の慰安と娯楽
歌と踊り
慰安と娯楽がなくては、人生は味気ないものになる。笹原は交通が不便で、地域的に恵まれていなかった。ここでの慰安娯楽といえば、第一に歌と踊りを取り上げなくてはならない。
歌の中で最も素朴で調子の良いのは、エーヨー節とその踊りである。歌は人間に付き物で、心楽しければ自然に歌が出る。又、心楽しければ身振り手振り体を動かして楽しさを表現する。これが踊りである。粟や稗の伸びた中から歌声がもれる。夏の日盛りに草刈りに出かける人たちが一之坂を馬で乗り上げる時、「一之坂こし二之坂こして三之坂こしゃ強清水」と唄う歌が来る。
昔はこのエーヨー節一点張りで、これを盆うた盆踊りと呼んだ。明治になって、製糸場に他国の男女が入って来て種種のうたや踊りがはやるようになった。
歌や踊りの機会は、鹿狩社・津島様の祭礼、お盆の時だけである。若い衆は他村の祭にも出かけて踊る機会も多かったが、女衆は村だけだから、その日の来るのを指折り数えて待つのである。場所はお宮の境内、お盆は辻である。祭の当日は灯籠祭があるので、十二支のボンボリに灯がともって、その下で踊り他村からも踊子が来てにぎやかであった。
当夜娘たちは親の監視から解放されて、若者同士恋をささやく場にもなった。

 

この企画は、平成24年度文化庁「地域の遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」補助事業です。

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