【調査対象】
柏原高齢者クラブ会長・北澤正直さん
両角とく子さん(八十六歳) 両角 定男さん(八十四歳) 両角 好道さん(八十三歳)
両角 美幸さん(八十一歳) 北沢 一平さん(八十一歳) 両角 克子さん(八十一歳)
両角美恵子さん(七十九歳) 北澤ふじえさん(七十九歳) 北澤えつ子さん(七十九歳)
両角せつ子さん(七十六歳) 北澤けさのさん(七十五歳)
【内容】
ダンチョネ踊り・唄
茅野市民館イベントスペースで行なわれたダンチョネ歌詞の展示物を広げて見ていただき、六十年まえの記憶を探っていただいた。昔の話を伺い、実際に踊っていただいた。
柏原地区では歓喜院の庭、柏原神社の庭でお祭があり、若い男女が唄い踊り交流した。
六月三十日の燈籠祭を皮切りに、お盆の八月十三日~十六日、十七日の観音様の祭、九月の十三夜、十五夜には踊りがあった。
盆踊りは、子どもからお年寄りまで幅広い年代の人が集まって踊ったが、若い人は遅くまで残って踊っていた。踊りはダンチョネ節のほか、木曽踊り、竜峡小唄も踊った。
八月十七日の歓喜院お観音様のお祭は昼踊りで、他村の若い人の参加も多くあり、昼から行なわれた。
他の祭は柏原神社で行なわれ、夕飯後、十五~十六歳位から結婚前までの青年が集まり、三十~四十人くらいが二重の円を作って踊っていた。湯川からは女性も踊りに来て、柏原の昼踊りとして広く知られていた。女性は特におしゃれをして踊りに行き、一重の内織りの着物を染めてもらい着て、お太鼓の帯を締めて行った人もいる。長い袂の着物を着たりする人もいた。履物は下駄だった。
男衆は白い絣の着物をお揃いにして、黒い三尺を締めて、下駄で踊った。他村から来る男衆は浅黄の法被を着て、下駄の歯が減らないように、帯に鼻緒を通して腰にくくりつけ、草履をはいてくる姿もあった。
多くは手ぬぐいを頬かむりしたり、法被を頭から被って、顔がはっきり見えないようにして踊っていた。
歓喜院の庭には大きな銀杏の木があり、踊りの途中で気の合う男女が木の下に行き、話し込む姿が見られた。
柏原は現在の白樺湖や車山方面に地区所有の山があり、山に口が開くと草刈、萩刈りに行ったが、その様子を唄った歌詞も多くある。
この企画は、平成24年度文化庁「地域の遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」補助事業です。