民謡 - 湖東須栗平

【対象者】
祝い唄めでた/小平丑人さん(八十五歳)、小平惣一さん(七十八歳)
ダンチョネ節/小平昭七さん(七十八歳)、小平志づかさん(八十一歳)

【内容】
小平忠実さん(故人)が、昔めでたを教えていた。
小平庄平さんが『小野子山物語』を自費出版しているが、その中にめでたのことが書かれている。須栗平は、以前は小野子(おのこ)と呼ばれていた。小野子松はこの地に始めて行屋を建てた記念木という。年代は不詳である。
その昔、鶴が来てこの松で舞を舞ったという伝説と民謡に出る古木である。
他所の村から嫁に来て喜んで舞いつく木が小野子松であったと唄われる。めでたは嫁をとろうとする若い人が、唄の上手な人のところに酒一本を持って教わりに行ったという。穴倉で教わったこともあった。この曲が唄えなければ婚礼の場の唄のやり取りができなかったと言われ、婿さんと仲人さん、親戚の人により唄われた。 
「ありがたいぞえ神様よりも 育てられたる親よりも」と婿様が唄い、「ありがとうございます。さあさあ一杯おあがり下さい」と挨拶をした
また、仲人も「めでた嬉しや 思うこと叶うて 末は鶴亀五葉の松」などと唄い、親戚の人にも唄われた。また新築祝いの席では「この家の家は福徳さまよ 屋根は小判の杮ぶき」等が唄われ この地域独特の座敷歌である。
謡曲高砂と関わりがあり、唄の中に共通性がある。 
二十年くらい前に世の中に出す試みがあったらしいが、そのままになってしまった。



この企画は、平成24年度文化庁「地域の遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」補助事業です。

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