新しい仏さまにとって、初めての盆が「新盆」である。新盆の家では燈籠をより高く掲げ、お墓のあるところに向けて立てることで、初めて家に戻る新仏が迷わずに来られるように高燈籠を作って立てる。さわらや松等の長さ七、八メートル、太さ十センチメートル前後の木の先端の枝葉を残して枝を払い、皮をむいた竿の上部に横に棒を渡し、竿の先と横棒の両端を縄で結び、二等辺三角形を作る。この三角形の中に、縄を一筆書きのように切らずに使って、桔梗の花を結び、庭に立てて燈籠を吊るす。木は区の山で採って来る。新盆の家で、七月初めに親戚が集まって作り、三ヶ月間立て置く。最近では作れる人が減っている。
この企画は、平成24年度文化庁「地域の遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」補助事業です。