小正月行事 - 湖東新井、北山糸萱

1月中旬

一月十四日から十六日までを、大正月に対して小正月と言う。古くは女性がゆっくりと出来るようにと、女正月とも言われた
餅をついて神様に供え、家族そろって祝う。小正月に向けて山からノリデの木を採って来て、ホンダレサマを作り豊作を祈る。
木の枝を俵や稲穂に見立てて切って作る。細い木を組み合わせて稲の花を作ることもある。 ノリデの木で刀を作ったり、どんど焼きの触れ太鼓に使う撥を作ったりする。伊藤さんは今でも、小正月に使う箸を柳の木とノリデの木で作り、十四日の年取りには柳の箸を柳でシナシナ、十五日の朝飯には「乗り出すように」とノリデの箸を使う。また、太さ四、五センチ二十から三十センチ長さの木の根元を杭のようにして、太い方を四つ割にして粥かき棒を作る。
十五日に粥を焚いて粥かき棒でかき混ぜ、その年の田畑の出来具合を占った。春、たんぼに水を取り込む水口(ミナクチ)に粥かき棒を挿して豊作を祈る。 
家の主人が「萬物作」などと半紙に書いて お勝手のかまどの近くや神棚に一年間貼っておく。中央に「萬物作」と書き前後に五穀豊穣、家内安全、など願いを書く。伊藤さんの萬物作は親からの家訓を書いたり、自分が伝えたいことを書くこともあると云う。
伊藤家で作った粥かき棒、撥 箸、稲の花の写真を撮影。 伊藤さんは白内障の手術のため今年はいつもより早く作ったという。

 

この企画は、平成24年度文化庁「地域の遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」補助事業です。

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